事故でクルマがつぶれたとき、修理をする前にまず考えなければならないこと、それは、その損傷状態を「全損」と見るか「分損」と見るかです。たとえばフェンダーが少しへこんだとか、塗装に傷が付いた、という程度のキズなら、それほど深く考える必要はありませんが、大きなキズの場合は後でさまざまなトラブルが予想されるからです。そこで、「全損」の考え方について説明することにしましょう。広辞苑で「全損」という言葉を調べてみると、「損害保険の被保険物が全くその形態を滅失し、または全部その用をなさないようになること」とありました。保険の世界では、さらにこの言葉を「物理的全損」と「経済的全損」の二つに分けて考えています。まず「物理的全損」とは、修理が不可能なまでにひどく壊れた状態のこと。ニュースなどでグチャグチャに壊れたクルマの映像を見ることがありますが、あのような状況ですね。保険会社では、「一目全損」と言ったりするようです。また、見た目に変わりはなくても、全損と判断される場合もあります。たとえば物損ランキングで登場したポルシェは、埠頭の突堤から海中に落ちたのですが、海水に浸かって電気系統がダメになり、あらゆる部分からサビが出てきたため、技術的には修理不可能。「全損」になりました。対する「経済的全損」とは、技術的に修理はできるのだけれど修理費が時価を上回るため、全損と判断することをいいます。つまり、修理費がそのクルマの「時価」を上回ってしまう場合は、修理せずに廃車にした方が経済的にトクであるという考え方です。ちなみに「時価」とは、壊れたクルマと同じ車種で、同じ程度の使用状態の中古車を中古車市場から買う時の「売るではない」価格のことです。新しいクルマの場合は、トラブルになることは少ないのですが、4年、5年……と使用したクルマが被害にあった場合は、たびたびこの「経済的全損」という考え方が原因となるトラブルが起こります。つまり、クルマが古くなると時価は急激に低下しますが、修理費はクルマの年式とは無関係だからです。
(参考サイト)
アメリカンホーム・ダイレクトの自動車保険
http://auto.hokende.com/
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